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平成17年度あきる野市一般会計予算に反対討論する影山保団長の討論


平成17年第1回定例議会(3月議会)
影山保議員


 
平成17年度あきる野市一般会計予算に反対討論する影山保団長の討論
 
 

平成17年度予算に対する反対討論

 日本共産党あきる野市議団を代表して、議案第20号 平成17年度、あきる野市一般会計予算に対する反対討論をいたします。

 本予算は、国の「三位一体」改革の影響による交付税等の減少や、東京都による補助金等の大幅減少の中で、大きく市民負担を増やした編成となっています。

その一つは、個人市民税の増税です。配偶者にも均等割りが課せられたことにより、819万6千円増え、さらに配偶者特別控除がなくなったために1億7千239万1千円増えます。市民にとっては大幅な増税となり、その結果、市税収入は増えることになります。

二つめには、市民が払う使用料・手数料の増額です。使用料・手数料は、平成14年度の2億9千64万6千円から、15年度の3億761万1千円、16年度にはごみ手数料が加わって5億4千649万7千円とはね上がりました。17年度は、さらにごみ手数料が増加するほか、市民検診の一部負担が取り入れられ、5億9千706万2千円に激増します。この4年間で、使用料・手数料として市民が負担する金額は、2倍以上に増え、家計を圧迫しています。

こうした負担増は、長引く不況の影響で、1998年から7年間も所得総額が減少し続けている市民に加えられます。一生懸命働いたのに、給料は上がらなかった、また、ある日突然失業してしまった、学校を卒業しても仕事に就けない、不定期雇用で食いつないでいる。このような市民がたくさんいることは、被用者保険から国民健康保険への移行が多いことや、生活保護や就学援助を受ける人が増えていることからも容易にわかります。

しかし、国や都のレベルでは、さまざまな負担増が続いています。払う年金は増え、もらう年金は減る。介護保険の利用負担が増える。市民は、収入が減っているのに、払わざるを得ない支出が増えるという経済状況の中で、身動きが取れなくなっています。

景気対策の失敗や増税は国の悪政のもとで行われていますから、市としては致し方ない面もございます。しかし、こうして、国や東京都からの財源が減ったからといって、所得の減っている市民に財源を求めるようでは、地方自治の本旨から外れてしまいます。ひとびとに一番近い地方自治体には、福祉・くらし・健康を守り、向上させる義務があるはずです。地方自治体本来の役割を果たすかどうかという基本に立つと、本予算は失格です。

「収入面で市民負担を増やした予算なのだから、支出面で市民に対し、特にどんな配慮をしたか」との質問に対し、答弁までに間が開きました。誰が答弁するのか、市長・助役席周辺では顔を見合わせていたのです。しばらくして「限られたパイの中でいかに出を減らすか、それなりの予算を組んだ」との答弁がありました。

苦しい市民に申し訳ないが、これだけは配慮した、と胸を張っていえることはなかったようです。もし痛苦の思いで市民負担を増やし、そのような討議がなされた経過があれば、誰でも自信を持って答弁席に立てたはずです。

本予算が、市民に対する暖かい施策とは程遠い予算であることは、二日間の審議で次々明らかになりました。

今年度まで無料で続けてきた市民検診に、17年度予算では、一部市民負担を導入します。16年度無料だった乳がん検診が1000円と17年度新たに加わる前立腺がん検診が500円、自己負担になります。「市民の健康を守るには、まず病気予防から」ということを掲げ、勤務先で検診をやってもらえないパートやアルバイト、また失業してしまった人などが増えても、キャンセル待ちを解消するために受診枠を増やし、検査項目も「ドッグ並み」にしてきた、「あきる野方式」の誇りはどこへやってしまったのでしょうか。

17年度は二つのがん検診に限っての有料化ですが、「健康は個人の実現であり、市はそれを援助する」、「受診者が1万人を超えたら再考を要する」などの発言もあり、今後、さらに個人負担を増やすスタートになることを危惧します。

予防にかける金額は、病気治療、それも重症化してからの治療に比べればはるかに少なくてすみ、しかも苦痛を伴いません。後の治療より予防のほうが財政負担が少ないことは、予防に力を入れている先進自治体がいくつも証明しています。目先の支出にとらわれると、後でかえって支出を増やしてしまう結果になります。考え直すよう求めます。

よく、弱い立場にいる人をどれだけ大切にできるかが、その自治体のよしあしを図るバロメーターだといわれます。17年度予算では、あきる野市はおおきく評価を下げました。

平成14年度から市町村でスタートすることになった、精神障害者のためのホームヘルプ事業を、17年度も開始しようとしていません。14・15・16年度と、多くの自治体でスタートし、精神に障害を持つ人たちの自立や社会復帰に役立ち始めています。今年の1月に八王子市がスタートさせ、ついに多摩26市で実施していないのは、あきる野市だけになってしまいました。この事業に必要な予算は、591万円と聞いています。多摩で最後の自治体に残っても、まだ予算をつけようとしない市長の冷たい姿勢には、がっかりすると同時に恥ずかしさを感じます。

精神医学者の呉秀三(くれ・しゅうぞう)というひとが、大正7年に、日本の精神障害者に対する施策や意識の遅れを指摘した、「この病を受けたるの不幸のほかに、この国に生まれたるの不幸を重ぬるもの、というべし。」という言葉があります。この言葉にさらに「あきる野市に住みたる不幸を重ねる」という言葉を追加しなければならないことを、本当に残念に思います。

精神障害については、まだ日本では理解が深まっておらず、精神に障害を持つ人やその家族の多くは、そのことを周囲に知られないように暮らしています。残念ながら、いまも大正時代もあまりかわらないのかもしれません。そうした背景の中で、みずから声をあげられない市民の声を、耳をすましてすくい上げ、社会を啓蒙していくのが市の責務ではないでしょうか。

多摩、最後の自治体の汚名を払うべく、早急な予算計上を求めます。

また、交通弱者といわれるお年寄りや、交通不便な周辺部に住む人のために、現在たった1台しかない“るのバス”を購入してほしいという望みにも応えていません。

過疎バスがあっても、本数が少なく当てにならず、中間・期末試験のように半端な時間に帰宅しようとするとバスがない、五日市中学校の生徒もいます。朝、五日市駅に、通勤通学する家族を送って、何度も家と駅を往復する主婦もいます。この人はもしかして朝晩の送迎のほかに、昼間はお年寄りの病院送迎もしているかもしれません。

阿伎留病院にいくために、草花からバスで福生にでて、JRに乗り換えて拝島で乗り換え、武蔵引田から歩くお年寄りもいます。

検討委員会の報告では、バス増車の必要性がたくさん述べられていたにもかかわらず、結論を「財政的に現行の1台のバスで」と締めくくってあり、それを受けて、増車が実現しないのは残念です。報告書に多々つづられている市民からの要望を真摯に受け止めたら、バス購入は必然です。ここでも市長の無策振りを指摘し、予算計上を求めます。

こうした切実な市民要望をいくつも積み残している一方で、歩きたくなるまちあきる野観光整備事業の、総事業費24億9千万円は、巨額です。しかもこの金額は、まだ確定ではないとのことがわかりました。経営主体が確定していないだけでなく、温浴施設建設に関連する木質バイオマス発熱についても、設備建設にいくらかかるのか、どんな方式になるのか、また、燃料になる木材を、お金を払って買うのか、またはお金をもらって引き取るのか、など、これから決めることがたくさんあるとのことで、場合によっては事業費がさらに膨らむことも考えられます。

今回の予算審議を通して、わが党の質問に対してばかりでなく、何度「財政が厳しいので、」という答弁を聞いたか数え切れないほどでした。しかし、何度も財政難と連発するのに、温浴施設関連事業には、17年度、債務負担行為を含めて、14億4860万5千円もの予算を投入し、事業を進めています。全国の温泉施設が営業不振なことを例に挙げ、「赤字になったらどうするのか」とたずねても「赤字にはしない」「十分慎重にやっている」などの一点張りで、科学的根拠に基づく論理的な説明は一度もされません。これでは、いくら「大丈夫」だといわれても、安心して任せるわけにはいきません。

予算編成方針に“投資的経費では、緊急性、投資効果、施設の運営方法、維持管理の見通しなどについて、十分な検討を加え、事業効果が高いものを優先すること”、“事業の効果及び、将来にわたる財政負担などを再検討のうえ、優先度により事業を厳選すること”とあり、このこととも整合しません。

またこの事業が市民要望から始まったわけでもなく、合併による有利な借金ができるから、と地域総合整備事業債の借り入れ期限をまえに、平成12年に見直した計画を突然再燃させて、あわててはじめたということは、すでにこれまでの予算審議や一般質問で明らかになっています。

計画を立てたら市民の気運が高まった、というのでもないことは、16年度予算を計上していた事業が、遅れに遅れて、先日補正予算で2億692万9千円もの繰越明許費とされたことからも明らかです。

このような事業に巨額の予算と労力をつぎ込むのはやめて、市民の、ごく普通の、毎日の暮らしを、今一度しっかり見てほしいと思います。見れば、必ずやこの事業がほかを押しのけてまで優先するものではなく、どうしてもやる必要のある事業でもないとわかるはずです。どうしても必要で、すすめたい熱意を持っているのならば、市長はたった1回しか地元に説明にいかなかった、などということはありえないはずです。

本予算は、市の、多岐にわたるすべての分野の予算であり、仮称・自治基本条例や、仮称・産業振興基本条例の準備を始めることほかの前進面や、また改善を求める点など、多くございますが、ここですべて述べることはできません。

市職員の、日々、それぞれの職務において尽力されていることに、感謝と敬意を表しつつ、本予算案に反対いたします。



  






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